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2016年2月26日 (金)

でっちあげ 福岡殺人教師事件の真相

                         

人間の集団心理と思いこみの危うさを示した衝撃的なノンフィックションでした。

小学校の教諭が教え子に「死に方教えたろうか」と恫喝して、体罰をくり返すイジメが発覚。

マスコミは件の男性教諭を「殺人教師」と実名報道。

それもこれも校長が事態収束を急ぐためか、親の言い分を鵜呑みにして、だれも教諭の言い分を聞こうとしなかったことが事件を大きくさせた要因の一つでもあるのですが、ことはそれだけではありまえん。

先走ったマスコミは事件を調べることもなく教諭を一方的に断罪。

イジメを受けたとされる生徒の親が教諭と福岡市を相手に民事訴訟を起こした。

子どもはイジメによるPTSD発症と医師が診断。

弁護団が500人原告側についた。

一方、教諭には弁護士さえなかなかつかない有様。

それがそれが裁判が始まるやいなや、形勢が徐々に逆転されていくのです。

子どもの母親に虚言癖があり、つじつまが合わないことが次第に明るみになってくる。

恐ろしいのは病院と担当医師。

たいした診察もせず極度のPTSDと診断。

しかし子どもは至って元気。

けっきょくほぼ教諭の無実が決定。

えん罪事件だったのですが、著者のあとがきで、「殺人教師」と報道した記者達から謝罪の言葉もなければ、担当医師も弁護士は取材に応じないとのことです。

一人の教諭の人生とその家族、子ども達を巻き込んだ事件であったにも関わらず、だれも責任を取らないばかりか、検証しようともしない。 

本書は事件の全貌を取材し、記者や医師、弁護士を実名で白日の下にさらしました。

この事件後もえん罪後報道は続いているどころか、ニュース番組もワイドショー化して、いっそう過激報道が過熱している様子です。

このえん罪誤報道事件はとても人ごとだとは思えません。

明日は我が身です。

心理学の本を読むより、人間洞察が深まる内容でした。

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