カテゴリー「映画・小説・ノンフィックション」の121件の記事

2018年6月29日 (金)

剣客商売 池波正太郎著

    
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俳優の故藤田まこと氏が演じた時代劇の人気テレビシリーズ「剣客商売」が、私は大好きでした。

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だから本書を読みながらいつも藤田まこと氏をイメージしていました。

 

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老剣士秋山小平衛の藤原国助作二尺三寸が冴える「十番切り」などいいですね。

 

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人間を深いところで描いているので味わい深い小説です。

 

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さすが池波正太郎先生です。

 

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テレビも良かったし、本も良かった。(^-^)

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2018年5月18日 (金)

人を襲うクマ 遭遇事例とその実態

    
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北海道、日高山脈で起きたヒグマ襲撃事件。

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1970年3人の大学生がヒグマに襲われて死亡しました。

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ヒグマの雄の成獣で平均200キロ これまでオスで400キロを超える個体が記録されている。

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 執拗に人間をつけ狙うヒグマの恐ろしさは現代にも伝わる事故の教訓として多くの著書に記されています。

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逃げるものを追いかける

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火は怖がらない

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人数の多少に左右されない

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自分の食べ残しに執着

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ツキノワグマは臆病だから人間の気配を感じると逃げると言われてきましたが、臆病だからこそ防衛的過剰攻撃が強いとも言えます。

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昨今は、ツキノワグマ襲撃事故や人食被害まで出ています。

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ツキノワグマの雄の成獣は、およそ60~100キロ前後。平均85人前後、多いときは年に100人以上の人間が襲われ、数人死亡。

 

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世界中でもまれなことです。

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山の食物不足による人間と熊の生活空間が近づいていることが大きな要因と言います。 

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山の伐採後、食物にならない針葉樹を植栽、里山の消失、人間が捨てた残飯、栗、柿木の実 摘果されていない。などが主な原因です。

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実は私、熊好きです。

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人間の経済目的だけで自然破壊を繰り返すのはどうかと思います。

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熊と人間の共存の道を考えるためにも本書は勉強になる一冊でした。

 

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2018年5月11日 (金)

家系の科学ノート

         
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自分の生きざまが子供や子孫に影響を与えていると知ったら、子孫のために少しでも前向きにいきなければ。と思う気持ちが強まるまずです。

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「先祖の因縁」。

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家系の科学と言われなくても普段私たちも何となく感じることだと思います。

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両親が離婚をしていると、その子供の離婚率が高くなる。という統計が出ていますが、夫婦仲は遺伝する。が家系の法則だそうです。

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二代続けて夫婦仲が壊れてしまうと、家運が衰退、家系の運勢が止まる。

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私たちは先祖の作った波動の影響を受けているのです。

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だからといって先祖のせいで自分は苦労しているというような責任転嫁をしても良い結果は生まれません。

 

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上手くいかないのは先祖の期待が大きいから、自分たちの代で変えるんだといった意識を持つことによって家系の運勢、自分の人生を変わっていくこともあります。

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自分の努力で全部変えようとすると考えが偏りすぎてムリがきます。

 

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自分の代で3割ぐらいよくするぞ。

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そのぐらいの意識がいいようです。

 

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2018年4月 6日 (金)

西南シルクロードは密林に消える 高野秀行著

     
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著者高野秀行氏のモットーは、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」。
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今時こんな日本人いません。
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天然記念物で、しかも文章が面白い。
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中国の成都を出発し、ビルマ(ミャンマー)を通って、最後はインドへ。
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それが幻の西南シルクロードらしいのですが、ジャングルの自然の厳しさと反政府勢力ゲリラとの交渉、象にまたがり、歩き、まさに混迷の旅。
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私には耐えられない。
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高野氏は常にバイタリティがあってエネルギッシュかと思いきや、日本では半分ウツで半分引きこもりとのこと。
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そのギャップが冒険のエネルギー源になっているのかなと思うのです。
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自分の息子にはこんな危険な人生を歩んでほしくないと思いつつ、高野氏にはいつまでも冒険して面白い本を書いて欲しいと思うのです。
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高野氏の著書全部読みたくなりました。

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2018年3月30日 (金)

「狼の群れと暮らした男」ショーン・エリス著

      
最近の読書で印象に残っている本です。
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著者エリス氏は、ロッキー山脈の自然の狼の群れの中に一人で数か月入っていくのですから、まさに命がけ、狂気の沙汰です。
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大学の賢い研究者ならそんなことはしません。
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自分の身に危険が及ばない程度の観察ですますでしょう。
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著者は何も後ろ盾がない人。
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狼に惹かれた一般人からのスタート。
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人間的に偏ってないとこんなことはできません。
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私はその偏った人に惹かれるのです。
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世の中変わった人がいるものです。
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こういう人がいると思うだけでまだまだ人類も捨てたもんじゃないなと、うれしくなりました。
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以前から思っていたのですが、狼は人を引き付ける魅力がなぜかありますよね。

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2018年3月16日 (金)

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて 佐藤優

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佐藤氏は今や知の巨匠と呼ばれるほどの方ですが、それも長期間の拘置所経験があったからだとも言われています。
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佐藤氏はたくさんの書籍がありますが、その中でも本書は佐藤氏を知るうえでぜったい外せない一冊でと思います。
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佐藤氏の原点となるべく体験的ハードエッセイ。
 

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当時、佐藤氏と鈴木宗男氏に対して、まるで極悪人かのようなパッシングをマスコミはしていました。

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正直私は、鈴木氏の雰囲気があまり好きではなかったので、事件に対してもとくに興味もなく、「どうせ政治家や官僚が甘い汁すすったんだろ!」。ぐらいに思っていました。

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しかし佐藤氏、鈴木氏の取り調べによる拘留期間の長期化の中、二人とも罪を認めません。

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ふつうなら罪を認め、はやく取り調べから解放されたいはずです。

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だから冤罪事件が多いのですが、このお二方は粘る。

 

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そうなると、「あれ、ひょっとして鈴木氏はそんなにワルイ政治家じゃないのかも?」と思えてくるのです。

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今時珍しく信念がある政治家?

 

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佐藤っていう官僚は、極悪人と叩かれているのに、自分の欲望のためにはお金は使っていない。

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何かおかしくない ? 

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この逮捕、なんかおかしい。

 

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と考えるようになって事件に関心を持つようになってきました。

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本書を読んで「国策逮捕」の実態が明らかにされてきました。

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そのような国策逮捕を恐れ、かつての同僚や上司は手のひらを返したように責任を佐藤氏に擦り付けてきた中、それでも佐藤氏の心は折れなかった。

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そこがすごい。

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この著書の凄みでもあります。

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日本の外交や拘置所から出た後の自分の人生を考える先を見通す目。

 

信念、人に対しての慈愛。

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外務省職員も次第に佐藤氏を擁護する声が高まってきているといいます。

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昨今、自然保護や環境を訴える国にたてつきそうな人物を警察が監視したり、微罪で逮捕していることが明るみになってきました。

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「国策に反する」

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.逮捕。

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私たちは家畜にされつつあるのか。

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佐藤氏みたいな方にいつまでも頑張って欲しい。

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佐藤氏、中日新聞でコラムを持っています。

 

 

 

 

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2018年3月 9日 (金)

外道クライマー  宮城公博著

 

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著者は、熊野神社の前にある那智の滝を登攀して逮捕されたリーダー格の一人である。

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この事実を受け入れるのか、そんなの許せないと拒否するのか。

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読者の人生観がはっきりと分かれるところです。

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もちろん私は、最後まで読むというか、むしろ読みた~い側の人間だということです。

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逮捕後、それこそ嫌がらせや苦情、会社まで解雇させられたように、著者の宮城氏の行為を許せないと思われる方は、そもそも本の題名に「外道」と書かれている時点でアウトな本。

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書店で間違っても手に取らないと思います。

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宮城氏は那智の滝でこそ売名行為と言われ、ひんしゅくをかいましたが、実は高度な技術を持つ沢やでもありクライマーでもあり冒険家でもあります。

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カラコラムでのクライミングから、本書でもタイのジャングル46日間沢登り、台湾最強の渓谷に登攀など、命がけの挑戦をし続けている本物のツワモノです。

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ただ、メジャーな登山家のような品性はありません。() 

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本書を読んでいて私は逆に好感がもてましたが、嘘でもいいから哲学めいたことを書いていれば、カリスマ冒険家として社会的に認知されるとおもうのですが、どちらかというと人間味があるというか、正直というか、NHK向きじゃない読者を楽しませる文章を書いています。

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解説ではやはり私の好きな登山者・冒険家の角幡唯介氏が、反社会性を内在させたむき出しの登山的道徳律を社会に対してぶつけてみたかったのではないか。と書いています。

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説明がうまいな~。

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宮城氏のどこか挑戦的文章はそういうことだったのか。とガッテンがいったのです。

 

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逮捕されてもめげずに沢やを続けているところが日本人らしくない打たれ強さ。

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そこに本当の意味での強さや哲学があるのかもしれません。

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たぶん、著者のような人は日本で生きるのは大変だと思います。

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いわゆる人間絶滅種です。

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だから日本にいてほしい。

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今の日本を言い表すと「不寛容」。

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こういう人が生きていけるうちは日本もまだ救いがあるのかなと思っています。

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2018年2月28日 (水)

新・人間コク宝 吉田豪著

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吉田豪の名前を最近耳にするようになって気になっていました。

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本書は、その吉田豪氏がインタビュアーとなってアウトローな芸能人の魅力を引き出しているのですが、逆に吉田豪氏のインタビュアーとしての実力が発揮されていました。

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梅宮辰夫、木村一八、蛭子能収、などなど、想像通り面白かったし、「そんなにアウトローだったの」と、イメージと重ならない芸能人もいました。

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俳優、実業家の吉川銀二氏の言葉が印象に残りましたので紹介します。

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人間を抑える3法則。

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力、金、情。

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「反省するけど後悔しない」忘れてはならぬものは恩義、捨ててはならぬものは義理、人に与えるものは人情・・・。 

 

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本書を読んで、元気が出てきました。

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2017年11月24日 (金)

本当はひどかった昔の日本 大塚ひかり著 読んでよかった一冊

古典文学で知るしたたかな日本人

 

「昔は良かった」など、古き良き昔への憧れは誰しも持っていると思います。

しかしその事実は、平安時代から江戸~明治でも、今と変わらぬ問題を抱えていました。

古事記では、育児放棄、今で言うネグレクトのことも書かれていますし、捨て子やそれにともなう”捨て子ビジネス”もあったり、”口減らし”といって幼児のうちから奉公に出されることも明治まで続いていました。

五代将軍徳川綱吉の生類憐れみの政策にしても、犬や動物ばかりが有名ですが、人間の捨て子や捨て病人を禁止する政策でもあったのです。

政策として打ち出さないといけないぐらいに弱い人間は粗末に扱われていたということです。

 

また、”姨捨の伝承”もあり、60の木の股と言って、60歳になると山奥の木の股(間に)捨ててくるといった伝承もありました。”老醜”と言って、”老いてはべれば醜きぞ”と源氏物語でも書かれているほど、老人はやっかいものとして見られていました。

昔から老人介護の問題があったということです。

 

その他、いまでいうブラック企業問題も、奴隷的な存在もあったり、人身売買も遊郭に売るという一部の話しだけでなかったそうですし、現代の電車内ベビーカー論争も、昔から隣の家の夜泣きがうるさいなど、あったそうです。

余裕がある特権階級以外では子どもや妊婦、老人は食費がかかるのに労働できないというやっかい者として扱われていた節もあります。

1918年に書かれた「精神病者私宅監置の実況」という本では、精神病の半数は治療を受けることもなく、警察や自治体に届ければ座敷牢に監禁することもできたそうです。

窓のない部屋や鎖につながれていたり、入浴などもさせず、実際ひどいものだったそうです。

 

また、昔を美化することで一番多いのは、”地域の助け合い”など人とのつながりだと思うのですが、実際、日常品の貸し借りが多かったり、家族地域の絆が強いほど、自殺率が高いとのことです。

それは一度排除されると死活問題となり、”和を持って尊しとなす”の陰の方が出た結果だと思います。

 

よくいまの60代から70代ぐらいの方たちが、「昔はよかった」と言いますが、

戦争を考えてみてください。徴兵制で人を殺さないと、後ろから見方に撃たれるのですよ。

戦国時代から昭和の戦争も、敵前逃亡する兵士を殺す役目の兵士がいました。

 

姑が勝手に離縁することもあったし、結婚の相手も自由に決められず、家同士の政略結婚や姑が勝手に離縁させることもあったのです。

ちなみに死別ではない離婚率は今より高かったし、17世紀ぐらいまで特権階級しか結婚できなかったのです。

 

それに比べて今の日本は良いですよ。徴兵制もなければ恋愛も結婚も自由です。

本書を読めば、今の日本社会は昔に比べるとはるかに良いということがわかってきます。

 

昔は良かったというのは、良い家族に、”自分は恵まれていたのだ”ということなのではないでしょうか。

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2017年11月17日 (金)

「死ぬ気まんまん」と「老嬢は今日も上機嫌」エッセイ

      

佐野ようこさんのエッセイは面白い。

 

本書の執筆中、佐野さんはすでにガンの再発の告知を受けて余命二年と医師から言われていたのですが、(実際はもっと生きられました)死をすでに受け入れていられるようでもあります。

 

p203 人生に目的を持ったら、一生は短く時間はたりないだろう。目的を持たなかったら、一生は実に時間があまって長い。

 

つまり目的を持った人は死ぬときやり残したことを無念に思い、だらだら生きていたら、死ぬとき、あーやれやれたっぷり生きたなあと思える。というのです。

 

いや~ こんな死生観って斬新だな~。

さすが独善的専業作家。文章力抜群なんですよね。

   

老嬢は今日も上機嫌 吉行和子著

女優の吉行和子さんのテンポのいいエッセイ集。

お母さんのあぐりさんや、兄の吉行淳之介さんのこと、芝居や本の話しなどを、思い出深い日記を読んでいるようでした。

軽い感じのエッセイが多いのですが、中には、P134 「憂鬱な日々」では、イラクで人質になった5人が、無事に戻ってきたときの日本人やマスコミの反応と、ヨン様来日のフィーバーぶりと、第二次世界大戦時の日本人の気質に対して、怒りと、憂いと、心配な気持ちを素直に話されていました。

なんとなく読んでみるのにちょうどいい本でした。  

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